チリウヒーター ソーラーシステムで60年の実績
 地球環境から身近なことまで熱い思いを語る…2003


2003年
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12月 視聴率調査の意味

 11月19日、読売新聞は視聴率調査を操作したことに関する日テレの社長降格に、第1面のほぼ半分を割いた。だが、ちょっと待て。テレビの視聴率調査なんぞ業界が勝手にやっていることで、世の中一般の人には関係は無い。
 テレビが反省すべきは、そんなことよりも、何でもいいからタレントなるものを集めて、雑談やふざけあいをそのまま放送するなどなどの、放送内容の酷さ低俗さで、コマーシャルを依頼している企業の人までが、ばかばかしくって見ていられないと言う。
 あれが視聴率調査の結果だと言うなら、そんな調査などどうでもいい。新聞もテレビも公器としての責任を感じるべきである。
 ついでに、世の工務店は施主の一生一度の買物を作っている責任を感じるべきである。こじつけか。

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11月 新幹線でみる景気回復の兆し
 東海道新幹線に一人でのるときの座席指定は気の利いた駅員なら2人掛けの席(E席)を取ろうとしてくれるが、私はA席を取る事にしていた。3人掛け席の一番奥のA席は運が悪いと身動きが取れず、携帯に電話でも掛かると通路に出るのに苦労する事になるのだが、実は穴場で7割位の確率で隣のB席(一番人気の悪い3人掛けの真ん中)は空席でゆったり出来たものである。
 それが今年半ば以降B席が空席であることが殆ど無くなった。こうなるとA席はトイレに立つのも一苦労なので今はもっぱらC席を指定することにしている。
 こんなに毎度乗るごとに混み合うのはバブル消滅以来始めてのこと、要するに、今年後半に入って日本の民間経済活動はまぎれもなく急激に活発化している、すなわち景気が回復しているのである。
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10月 良い報道とは
 7月26日宮城県北部の地震をその真上で体験された大建ホームさんは「宙に浮いた」そうであるが、全壊などは30年以上の古い建物で、建築基準法の耐震強化の効果が見られるようだ。この地震を報道した新聞各社が掲載した写真がある。
 上の2つは理解できるが、下の2つはしろうと目には面白いかも知れないが良い報道写真とは言えないと思うがいかが。新聞なんかその程度と言えばそうだが。


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9月 暑中見舞い

 今年の夏は、盆過ぎにやっと暑くなる異常な気候で暑中見舞いもはばかられましたが、パリ在住の友人に暑中見舞いを送ったら、「本当に暑中見舞い」と喜ばれました。ヨーロッパは春からずっと大変な暑さで、千人単位の死者が続出したのは報道された通りです。
 昨年の5月にヨーロッパへ行ったときは連日雨で、あまりの寒さにコートを買いセーターの上から羽織ってそれでも震えていましたが、その寒さが8月過ぎまで続いたとか。
 1950年頃から始まった化石燃料の大量消費がもたらした地球温暖化が、こんな形で姿を表し始めていて、しかもこれがほんの入り口に過ぎことを認識すべきです。
 私たちは誇りを持ってハイブリッドソーラーハウスを薦めます。

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7月 講師選びは難しい
 5月の見学会で見た明治村へは二十年ほど前に行ったことがあるが、その後、ハイブリッドソーラーハウスの仕事もあって建築に興味を持ち、海外の建築を見たり、建築史の本を読んだりしたので、以前とはまったく違う新鮮な目を持って、いろいろな建物を見ることが出来、とても興味深かった。
 幕末明治から始まった日本人の西洋建築への取り組みはとても面白く、案内をお願いした部長さんには、そんなお話をいろいろお聞きするといいと思い「我等は勉強熱心な工務店グループである」とさんざん注射しておいたはずなのに、どうも方向がずれてしまったようで、だらだらと続く説明を聞きながら、時計を睨みつつ、皆さんに申し訳ないと脂汗を流す思いでいらいらしっぱなしだった。
 講師選びとは難しいものである。
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6月 和服に靴?
 輸入窓の価格を調べると横引き窓が極めて高いのに、上げ下げ窓は国産のアルミ樹脂複合サッシよりも、アルゴンガス充填Low-Eガラス入りの木製サッシの方が安いことすらある。
 これは歴史的な住宅の構造から来る窓の形の違いによるものと思われる。組積造を主とした西洋建築では開口部の上の荷重が重く、アーチを組んだり、石の横架材を渡したりと苦労をしており、勢い開口部も幅を小さく上下に長い窓になる。
 一方、軸組みの日本建築では鴨居と梁が共用されるなど窓の横幅に制約がなかったため、横引き窓が多用される。
 だが、外観を洋風にしながら横引き窓はどうも和服を着て靴を履いているように見えて仕方がないのである。たまには上げ下げ窓を使ってみてはいかが。
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5月 オンドルレポートNo.3
 私が韓国の田舎でオンドル体験をしたのは1978年、まだ韓国は開発途上でその燃料の多くは練炭でした。何分にも練炭は一酸化炭素がよく発生し、家が古くなると壁と床の隙間から寝ているところに入ってきて、そのため何件もの死亡事故が起こって問題になっていました。たまたま私が泊まった朝も、新聞に夫婦が死んだと出ている、今年これで600人目だ、と新聞を見せてもらいました。
 全く読めないのでその人数の信憑性は分かりませんが、いずれにせよ危険なので政府も指導をして、配管をコンクリート床に埋設した温水式の床暖房に切り替えようという動きが活発で、練炭で温水床暖房をするボイラーが作られたりして、ポリブテン管が採用され始めていました。オンドル体験レポートはこれで終わります。
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4月 オンドルレポートNo.2
 前号で、元祖蓄熱床暖房のオンドルの床下の煙の通り道は巧みに経路が出来ていて、部屋の中がどこも均一に暖まることになっていると書いた。しかし、これは褒め過ぎである。やはりカマドの近くは熱く、遠くなれば温度は下がるので、布団を持ってあっちへ行ったりこっちへいったりして丁度良い場所を探して寝るのだが、明け方近くなると次第に蓄熱も失われて寒くなるので、起きる頃には殆どカマドに間近な壁際に寝ていることになる。
 厚い布団を敷くと暖かさが伝わらないので薄い敷布団で寝るのだが、石の床にぺらぺらのクッションフロアみたいなのが張ってあるだけなので硬くて堪らない。現地の中年の人が「昔から慣れている老人たちは敷布団なしで寝るのだが、自分には出来ない」と、言っていた。オンドルの話はまだまだ続く。
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3月 オンドルレポートNo.1
 床暖房の例として韓国の昔からのオンドルは有名だが、私は古い田舎の旅籠で本物を体験した数少ない日本人である。
 家の裏側の壁際に練炭を燃やすカマドがあり、ここでおばあちゃんが干物をあぶったりご飯を炊いたりして食事の支度をすると、練炭の煙は縁の下に作られた煙の通り道に流れ込み、床下を流れて家の反対側の煙突から排気されるが、この床が分厚い鉄平石の板で出来ていて、その下を煙が流れると石の床が暖められて蓄熱床暖房になる。蓄熱床だから夕食の支度が終わっても寒くなく、そのまま暖かく就眠することになる。
 元祖蓄熱床暖房だが、オンドルの床下の煙の通り道は巧みに経路が出来ていて、部屋の中がどこも均一に暖まることになっている。その秘密は次号にて。
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2月 熱伝導を正しく理解しよう
 木の温もりとか石の冷たさなどとも言いうが、考えてみれば同じ部屋の中にある石と木が別の温度になるわけはない。些細なことだが「熱が流れる」「熱を蓄える」と言う事を科学的に理解する姿勢が大切だろう。 
 石のほうが木よりも熱伝導率と比熱あるいは熱容量共に大きい。体より温度の低い石と木に足を乗せると、足の裏から熱が木や石の中に流れ込むが、熱伝導率の大きな石の中へは熱が流れやすく、しかも石の方が比熱(1℃温度を上げるのにどれだけの熱を必要とするか)が大きいので、石の中に熱がどんどん吸収され、足から石へ熱がよく流れる。
 熱がどんどん流れ出る足は温度が下がり、人は冷たく感じる。木はその反対。熱が木の中に流れ込みにくい上に、少し流れ込むとすぐ木の温度が上がってしまうので、足から木に熱が流れなくなる、すなわち暖かく感じる。
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