チリウヒーター ソーラーシステムで60年の実績
 地球環境から身近なことまで熱い思いを語る…2004

2004年
Back Number



12月 気候変動の影響
 最近テレビの天気予報を見るたびに苦になることがある。うちの庭ではプラムの花が狂い咲きし、ほうれん草は搭が立ってしまったほどだが、この異様な暖かさを「いい陽気です」などと脳天気で嬉しがっていることだ。
 どんぐりができなくて熊が下りてきたのも、11月末になって秋刀魚がとれるのも、すべて恐ろしい気候変動のはしりである。冷夏や猛暑や暖冬や厳寒や激しく変化しながら、地球上の雨の多い地方には激しい豪雨を、雨の少ない地域には更なる乾燥をもたらし、食糧危機、難民問題、戦争などに及ぶ気候変動である。日本の農水省も2020年頃から世界的穀物不足が深刻化するとしている。イラクどころではない、と言われるスーダンの大虐殺の継続もそのはしりだが、中国など近隣の国も同様の要因を抱えていて、その影響は間違いなく日本にも及ぶ。
 この異様な気候に当たって、環境問題の重要さを説くのがマスコミの責任なのだが、そうした見識は全く期待できないのである。
TOP  目次に戻る
11月 家の作りやうは夏をむねとすべし?
 本州の住宅のルーツは「京の都」にあります。その住文化は寒い長野や東北にまで伝わったのですが、源氏物語絵巻などに見られるように、その住宅は南洋風ともいえるほど開放的で、徒然草(1330年 吉田兼好)の第55段に書かれているように、「家の作りやうは夏をむねとすべし」です。多くの建築家や工務店にとって、開口部が大きい家を作るときに、この言葉ほど励みになった言葉はないでしょう。大きな開口部は蒸し暑い日本の夏には適していて、四季の趣を理解する日本の家だというわけです。
 ところがこの言葉を振り回した建築家たちが触れなかったこの第55段の次の言葉は、「家の中に川を作るときは深い川ではなく、浅く流れる川が涼しげでいい」とある。実は徒然草は朝廷や貴族の家のことを書いたのであって、そのすぐ裏で寒さに震えつつ小さな窓の家で暮らしていた一般庶民の話ではないことを忘れてはなりません。
TOP  目次に戻る
10月 地球温暖化はゆっくり効いてくる
 今年の台風は観測史上最多の上陸数で、かつパワフルなのがやってきて被害をもたらしました。これは太平洋の水温が日本近くまで高いために、暖ためられた空気による低気圧が発生しやすく、しかもそれが日本の近くまで勢力を強めながら迫ってくることが影響しているようです。
 一方、ことしは秋刀魚がおいしく豊漁だといううれしい話もあります。これは海水温が高くプランクトンが繁殖してえさが豊富ということらしいのですが、それが逆に問題を起こしてしまいました。日本近海の海水温が高いために、脂ののった秋刀魚たちが一向にロシアの漁業水域から南下してこないらしいのです。
 地球温暖化というのはこんなふうにゆっくり、それと気がつかないように効いてくるものです。
TOP  目次に戻る
9月 ログハウスの断熱性

 ノルウェーの専門家会議で仲良くなったスウェーデンの環境建築家ハンスとリレハンメルの町を歩いたとき、しばしばみかける古いのや新築のログハウスについて「木材はたいした断熱性を持たないのだがあれで寒くないのかねー」聞いてみた。
 彼は「あれはちゃんと断熱してあるから大丈夫だ」と言う。ログハウスは断熱性が悪いから壁の内側から断熱材を当てて内装をするのだそうだ。室内にログを見せるときは外から断熱して外装をする。今どき断熱もしないでログハウスを使うなんて馬鹿なことはしないよ、だそうだ。
 日本でこんなことを言う人にお目にかかったことがない。「あの寒い北欧でもつかわれている暖かいログハウス」といって売られている。
 断熱材のRさえ計算できれば誰にでもわかる話なのに。皆さんは自社の建物の断熱材のRを知って建てていますか?

TOP  目次に戻る
8月 アオウミガメを追跡
 子供のころは夏ともなれば海水浴、カナヅチだった私も楽しみにしたものだが、いまは昔のきれいな海はよほど遠くへいかないとないらしい。
 だがこれはもっと遠くの話。渥美半島や遠州灘の海岸でアオウミガメの産卵が見られることは知られているが、そこで生まれたカメがハワイやアメリカまで行くらしい、というので名古屋港水族館が館内で生まれた子アオウミガメに発信機をつけて海に放ち人工衛星で追跡していて、その状況を見ることができる。
 昨年4月放流のなかで一番遠くまで行ったカメイちゃんは殆んどハワイ近くまで行ったのにまたちょっと戻ってしまった。
 今年4月放流された中のトコロ君にはたまたまこれを紹介したTV番組のタレント所ジョージの名前がついていて、まだまだハワイは遠いが太平洋を遊泳中である。
 たまにはこんなのを見ると心がひろびろとしていいではありませんか。
TOP  目次に戻る
7月 経験に基づいた一言
 昨年、三原工務店の北迫社長に自然薯の苗芋をもらって作ったところ見事に成果が上がり、ずいぶん美味しい思いをさせてもらった。
 そこで今年も、と食べた自然薯のヘタを春に植えたのだが、待てど暮らせど芽が出ないので心配になって北迫社長に電話をしたら、一言「大丈夫、そのうち出てきます」。先が見えないのは不安なものである。きっと家を建てる人たちもそうだろう。そのとき、経験に基づいた確信を持って言ってくれる正しい一言は安心感と信頼性を生むことを実感した。
 だけど、正しくないといけない。マイナスイオンが利くとか屋根緑化で家が10度も涼しくなるなんてのではなく、本当にはっきりわかる科学的事実でなくては。その後、自然薯は続々と蔓を伸ばしている。
TOP  目次に戻る
6月 屋根緑化元祖の国の常識
 ノルウェーでソーラーハウスの専門家会議が開かれたので行ってきた。さすが屋根緑化元祖の国で会議場となったリレハンメルの町にもいっぱいある。
 会議で一緒になった専門家たちの多くが北欧の人達で草屋根を見ながら話を聞いてみると、あれはそもそも家が殆んどログハウスだった昔、ログのセトリングを助け、隙間を減らし反りを防ぐ重りだという。
 白樺の皮を6層に敷いて防水しその上に20cm以上も土を載せ、冬は上に雪が載って更に押さえる。夏も雨が多いので枯れることはなく、暑さを防ぐ効果もあったという。
 今日では断熱のためではなく意匠として行われるもので、断熱は断熱材さ、あれは断熱性は殆んどないよ、というのが現地の常識である。
TOP  目次に戻る
4月 本末転倒
 昨年の10月、アメリカ北東部のソーラーハウスを何棟か訪ね歩いて見せて貰った。何軒も訪ね歩くうちに気が付いた。
 土地が広いのは良い事だが、それをいいことに、静かな環境がいいと離れた土地でだだっ広い敷地に家を建てていると、居住地がどんどん限りなく拡がってしまい、隣の家へすら車で行ったりしている。林を抜けて草原を横切って立派な道路網を作り、大きな車で移動するのである。二、三時間運転するのは感覚的になんでもないことらしい。車社会と言うが、ああなってしまったらもはや燃料の無駄遣い社会としか言いようがない。
 30坪の敷地いっぱいに家を建ててひしめき合って暮らしているほうがよほど賢く見えたものである。
TOP  目次に戻る
3月 牛のゲップで地球温暖化
 地球温暖化の最大の犯人は、化石燃料の大量消費によって大気中に放出された大量の炭酸ガスであることは一般的になっている。
 しかし、温暖化ガスとされるものには、他にもいろいろあって、そのうちのひとつが反芻(はんすう)動物のゲップである。特に、牛の数は十数億頭と世界中の鶏の数にも匹敵し、それらがみんなでゲポゲポとゲップをして地球温暖化をするのである。
 その多くは肉用牛であるが、それがいまBSEでもめていて、吉野家は牛丼が売れないと言う事態である。ちょうどいい、牛肉は贅沢品にして食べるのを止め、新製品の鶏丼にしよう。1Kgの牛肉を作るのには12 Kgの穀物が要る。鶏なら3Kgで済むし、ゲップもしない。コレステロールも少ない。
 でぶでぶアメリカ人の真似は止めて、健康な日本人に戻ろう。
TOP  目次に戻る
1月 盗難にあっても・・・
 わが社の事務所が盗難に遭った。もとより事務所に現金など置いてないから、被害はドアや書類金庫の破壊である。
 それにしても、バールを持参し強引にこじ開けた手口は全く技巧的ではなく、どう見ても中国人窃盗団だ。保険金を貰うため、止む無く警察に届けを出したものの、届けた側も届けられた側も、犯人逮捕は全く期待していない。警察は全くの無気力で、犯罪捜査をする意欲はなく、事後手続きだけが彼等の仕事と思っている。市民はそんなことがありありと分かるから、警察が何かをしてくれるとは思っていない。
 しかし、国民の生命財産の安全確保は税金を払う最大の理由で、これが出来なければ政府など存在価値は無いに等しい。どうしようか?
TOP  目次に戻る

 
Copyright(c) CHIRYU-HEATER Corporation. All Rights Reserved.