セルロース断熱材は、リサイクル古新聞や段ボール等を粉砕し、綿状に加工した木質系断熱材です。
防火・防虫・防カビ対策としてホウ酸を添加し、また沈下防止のためにでんぷん糊粉末を併用しています。
チリウヒーターは、太陽熱を利用した床暖房・給湯システム(ハイブリッドソーラーハウス)の普及には高断熱化が不可欠であると考え、1980年代後半よりその重要性を提唱してきました。さらに、断熱性能のみならず製造時の環境負荷にも配慮し、1990年からセルロース断熱の販売および施工を開始しています。
現在は、米国Advanced Fiber Technology社の日本総販売店として、セルロース断熱の普及と高断熱化住宅の推進に取り組んでいます。
1 COCOONセルロース断熱は環境改善に役立っています
1.1 環境との共生
ガラスを高温溶解するグラスウールと異なり、粉砕だけなので製造段階自体が省エネルギーです。 残材・廃材がほとんど出ない上、発生しても処理に問題ある有害物を出しません。
1.2 自然素材による家作り
柱や内装材が自然素材であっても、見えない壁の中が化学物質ばかりでは、本質的ではありません。自然素材でできた、人にやさしい住まいにもう-度戻りましょう。
1.3 高性能断熱による住環境改善
全室24時間暖房化に向かって、住宅の暖冷房エネルギー消費削減に強力に寄与します。
1.4 音響環境の改善
外部騒音・室内騒音の漏洩侵入防止で音響環境を改善します。トイレやピアノを置く部屋の音漏れ対策として、内壁に施工されることもあります。
2 COCOONセルロース断熱の技術的特徴
2.1 断熱性能
- 熱抵抗値R 2.63 m2K/W
- (厚さ105mmにて)
- 熱伝導率
- 0.03805W/mK (30.89kg/m3)-0.03936W/mK (24.71kg/m3) (ASTM C739米国R&Dによる試験) 試験成績書
- 0.040W/mK (35.2kg/m3)-0.039W/mK (50.0kg/m3) -0.040W/mK
(日本建築総合試験所 JIS A 1412-2:1999 「熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法-第2部:熱 流計法(HFM法)」による。) - 試験成績書35k 試験成績書50k
2.2 吸音
セルロース断熱のアメリカでの計測例: 「壁断熱厚さ90㎜ + 両面に12.5㎜プラスターボード張り」の場合 STC 44。この場合の音波の伝達減衰は5~9db。アメリカでは、飛行場周辺の住宅防音材として使われています。
2.3 防燃性能
ホウ酸添加により、表面は焦げるが燃えません。炎が内部へ入りません。 焦げると炭化により、表面は22~55%も防火力が向上。
2.4 調湿性能
木材細胞の微小気胞には、空気中の湿気を固定化し吸着する能力があります。壁内の調湿は期待できますが、室内の梅雨時の湿気を吸い取り部屋をカラッとさせたり、冬に結露防止するようなものではありません。
3 COCOONセルロース断熱の施工
セルロース断熱では施工技術と施工機器が、後の性能低下に多大の影響を及ぼします。
3.1 スプレー施工方式
米国で一般的な方法で、噴霧しつつ壁に充填します。
でんぷん糊で沈下防止しますが、45㎏/m3 以上の密度が必要です。
平らな天井にも最適。通常、施工後数年で厚さが半分にもなるのに、この方法では施工後の沈下がありません。
難易度の高い施工方法ではありますが、柱面にピシッっと整った施工面は安定した材料品質と施工技術力の証です。
3.2 ネット充填方式
壁にネットを張って穴をあけて注入充填します。 密度60 kg/m3以上と高密度に充填することで、経年で沈下し断熱に隙間ができます。 勾配天井への充填にも使われます。
丁寧に密度管理をすることで、ムラなくしっかりとした断熱施工が可能になります。
3.3 施工機械


チリウヒーターでは、施工のための機械の販売およびレンタルを行っています。
噴霧をしながらのスプレー施工(壁)が可能な機械です。
ネット充填施工を強力・高速で行います。充填密度 60kg/m3 で注入充填し、沈下しません。
平天井にもスプレー施工が可能です。高速で、且つ糊と噴霧の働きで沈下の無い施工が可能です。