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チリウヒーター

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お役立ち情報集INFOMATION

ここでは、家づくりに関する様々な基礎知識を、お役立ち情報として分かりやすくご紹介しています。ぜひ、家づくりの参考にしてください!

2 開口部基礎知識

2.1 窓の性能もRで比較

窓・ドアの性能は熱還流率U(W/m2K)で表示されています。
このサイトでは、邪道ですが敢えて熱抵抗値 R’(m2K/W)で表記します。(注1)

図中の数値は、いろいろな構造の窓の代表的な数値を表しています。それぞれのメーカーの公表数値を使うのが正しい方法です。トリプルガラスについてはケースメントとか両引きとかの窓の構造により大きく異なるのでグラフに幅を持たせています。

(注1) 断熱材などの熱抵抗値Rは純粋に断熱材のみを評価するので、厚さ÷熱伝導率で計算されます。しかし窓・ドアの熱還流率Uは屋内側・屋外側両面の空気層が包含されているため単純に R=1/Uと計算すると屋内側熱伝達抵抗Ri 0.11、屋外側熱伝達抵抗Ro 0.04 がRに算入されてしまい、正確には断熱材Rとは異質の数値になります。
ただ、壁のRに対し屋内屋外熱伝達係数は無視しても良い程小さいのに対し、窓のRではこれが無視できない比率を占めるので、壁の断熱力と窓・ドアの断熱力とを概念的に比較・理解するために、当サイトでは僅かな不正確さを承知の上で、R=1/U の数値を使っています。

2.2 窓の性能と壁の性能を比較する

窓・ドアの性能をRで表したのは、壁の性能と窓の性能を対比して理解するためです。
同じ外壁構成要素なのに、窓・ドアの断熱力と壁の断熱力の差を理解している人は殆どいません。
(注2)記載のように僅かな不正確さはあるものの、同じRで評価することのメリットは大きいと当サイトは考えています。

2.3 適正な開口面積率

同面積の壁と比べ、窓から数倍の熱が逃げるとすれば、開口部の大きさを過大にしないことが大切なのは、容易に理解できます。 ハイブリッドソーラーハウスでは開口部の大きさを規定しています。

開口面積率=(開口面積総合計)÷(1、2階合計床面積)≦20% (寒冷地は18%)

吹抜けも床ありとして計算します。

2.4 南は大きく、東西は小さく

窓の配置に注意しましょう。開口面積率が過大になるのは、殆どの場合東と西の窓が大きい場合です。 「温もり」や「涼しさ」を自然の中に求めた「昔の大工さん」は「南の開口は大きく、東西の開口は小さく」しました。昔の人は太陽との関りを理解していたのです。

冬の太陽は南から温もりをくれるが東西のご利益は弱い。

夏の太陽は東西から暑さを入れるが南からの害は余り無い

2.5 Low-eガラス-日射取得型と遮熱型

Low-eガラスが6地域の一般家庭用にも採用されるようになりました。

Low-eガラスの効果は
① 日射熱のコントロール  日射取得型と遮熱型があります
② 紫外線のコントロール 90~95%を遮断します。部屋置きの観葉植物は時々屋外で日光浴をさせてやるのが良いでしょう。
③ 遠赤外線通過阻止(冬) 暖かい部屋や家具からの遠赤外線放射を窓でブロックし部屋に戻します。
④ 遠赤外線通過阻止(夏) 二次輻射(照り返し)など遠赤外線による熱侵入もブロックします。

http://www.flir.jp/cores/display/?id=51886
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E5%A4%96%E7%B7%9A

この3つの効果のうち、① 日射熱コントロールについて2種類のLow-eガラスがあります。

● 日射遮蔽型 = 入射太陽熱の35~40%だけ取り込みます。
● 日射取得型 = 入射太陽熱の70%程度を取り込みます。

グラフの棒の長さは年間の暖冷房エネルギー消費を示します。 6地域などの一般地域では、日射遮蔽型が得です。日射遮蔽効果で冬の太陽熱の恩恵が抑制され暖房では損しますが、夏の遮熱効果で冷房削減効果が大きいので年間合計では得です。

3地域など寒冷地では、日射取得型が推奨されます。そもそも冷房ニーズが少ないので日射を取り入れて冬の暖房削減効果を得た方が得です。

2.6 トリプル(3層)ガラスは効果的か

トリプル(3層)ガラス窓は複層(2層)ガラス窓の1.5倍断熱効果が高いのでしょうか? 絶大な効果とは言えないようです。 地域によってその効果が変わります。 一般地域では、暖房所要エネルギーは、日差しによる温もり効果が抑制されるため、かえって増えてしまいます。冷房には有効です。 寒冷地へ行くほど、熱伝導損失抑制の効果がに出ますが、3地域(盛岡など)での効果はグラフにある程度です。もっとうんと寒い北欧の国々で多用されるのも理解できます。