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チリウヒーター

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BOSSのひとりごと 2022年blog

11/8 体長5.4mの巨大ニシキヘビ

 北米最南東の温暖なフロリダ州には広大な沼沢地が広がっています。6千平方㎞のエバーグレーズ国立公園を含む周辺湿地帯だけでもその面積は九州の8割なのでとんでもない規模です。そのフロリダの湿地帯で体重98キロ、長さ5.4mの巨大なビルマニシキヘビが捕えられました。世界で捕らえられたなかで最大です。その名の通り原産は東南アジアで、よくある話ですが飼われていたものが放たれ大繁殖してしまったものですが、生態系の頂点に立ってしまい、在来種を食い荒らし多大な影響を及ぼしています。州の委員会や自然保護団体は毎年千匹以上を駆除していますが、彼らは身を隠すのが得意で湿地帯やジャングルでは容易に見つかりません。一体州内にどれ程いるのかすら分からないのです。そこで雄を捕らえ体内にGPS発信器をつけて放ちます。繁殖期に放たれたオトリは雌のもとへ向かい、今回の巨大ニシキヘビもこうして捕まえられました。殆どの捕獲がこの方法でされています。解剖した体内からは122個の卵が見つかりましたが、更に問題は、案の定、シカのヒヅメが見つかったことです。フロリダ湿地帯の生態系のなかでボブキャット(6―15kgのオオヤマネコの仲間)やフロリダパンサー(絶滅危惧種でピューマの亜種)など在来食肉動物の獲物をこの外来蛇が食い荒らしている、言い換えると生態系の破壊をやっていることが分かります。日本でも釣り人のバス放流や、捨てたカメなど外来動物の生態系破壊は深刻です。(ナショナルジオグラフィックス誌)

巨大ニシキヘビを捕獲した研究者たち
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10/3 コロナは その辺りにあるもの

 CDC( 米国疾病対策予防センター)は8月、「コロナは今や〝その辺にあるもの“ になっ た」として感染後の隔離期間短縮などを出しました。日本にはこうした機関はなく、無視されたコロナ分科会(尾身会長)は動きの遅い政府にウィルスの変化に応じた議論が必要だと懸命に叫んでいるのがお盆の状況。中日新聞は、第7波の死亡増とはいえ東海3県で単独のコロナ肺炎による死は見あたらずとコロナ死の定義に疑問を呈しています。オミクロンBA5で7月中旬に日本とほぼ同水準の感染をしたフランス、イタリーは約1ヶ月で鎮静化しましたが、その時パリに旅行した人は「街でマスク姿はいなかったし、レストランは普通営業」だったと。欧州ではストレス疲れした旅行者が急増して観光地は大混雑、人減らしした空港は対応できず大混乱。中国のゼロコロナに似て、かたくなに政治家や官僚が保身する日本は、外国人を殆ど入れず、日本帰国には厳しい制約とほぼ鎖国です。ガイド付き団体なら入れると言いますが、欧米でも中国韓国でもガイド付き団体ツアーは田舎の老人向け。若者も混ざった団体など日本人以外見たことがありません。欧州の観光地で街を歩く2-3人連れの東洋人顔の若者とすれ違いざまに言葉を聞くと、日本語はありません。そんな日本的感覚で、将来味方になってくれる留学生まで締め出しして良いのでしょうか。なお8月感染数世界最大との事でしたが、国際比較は人口百万当りの比較が常識で、それだと欧州並みです。

一覧へ戻る 6月から州の空港は満員(ザ.サン紙)

8/2 免疫もワクチンもすり抜ける新型オミクロン

 今やコロナの殆どは感染力が強く軽症で済むオミクロン株。この春欧米では、1~3月のピークには人口百万当り一日当りの感染が2.5~5千人。日本なら毎日32~65万人相当の感染でした。日本では2月の7百人が最高で何故日本が少ないのかは謎。ウィルスは子孫繫殖が目的で、いかに既存の免疫を回避するかを模索し、高感染の変異種が次々に出現します。米国でBA2から派生したBA2.12.1は学者が発見してから1か月で全米の新規感染の大勢を占めました。年初に南アで見つかったBA4と5は6月上旬全米新感染の2割になりました。これらの共通の特徴は、過去の感染で得た免疫もワクチンもすり抜けることです。一度感染し抗体ができたら再発しないと思いきや、複数の國際研究チームの調査では、既に得た抗体はBA4と5には従来のオミクロンに対する効果の数分の一しか効かないのを確認しています。オミクロンは喉など上気道で止まり肺には届き難く、喉は痛いが軽症という例が多いのも、宿主を殺しては元も子もないので軽症化にという進化のように思えます。以前経験したから大丈夫という話が通用せず再感染し、ワクチンはモデルナのオミクロン用ブースターだけが有効らしい。後日疲労感、不整脈、息切れなどが見つかる後遺症がワクチン接種や症状の重軽問わず3割位に起こり得ます。素人ながら高感染・軽症化はこの感染症の進化のようには思いますが。7月欧州で感染拡大ですが死亡は増えません。一般感染症へ移行中のように見えます。
 
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6/8 マルゲリータ・ピザ

 数多いピザのメニューでも最も有名な「マルゲリータ」の名前は知らない人がいない程。統一イタリア王国2代目国王の王妃マルゲリータがナポリ訪問時に香りに誘われてそのピザ屋のおやじエスポジートを城に招いて3種類作らせました。翌日王室食卓責任者ガッリから「王妃は大変気に入られた。特にアレが気に入られた」と手紙が届いたので、それを「マルゲリータ」と名付けた、というのです。確かに1889年のこの日、エスポジートはピザ屋を開いており、王と王妃はナポリにいたことが確認されています。ところがこの話には?があるようです。1.バジル、モツァレラ、トマトのピザはこの話の30年前からナポリの本に紹介されています。2.お褒めの手紙の筆跡はガッリと異なるし、当時の王室の記録にもこの話は出ていません。3.この手紙のあて先はエスポジート・ブランディとなっているけど、ブランディは彼の妻マリアの旧姓。マリアには2人の甥がいてこの店で働いていました。どうもこいつらが宣伝のために手紙を偽造したのではないかとの説が濃厚です。王族が街へ食べに出ることはよくあったらしく、この話の十年ほど前の新聞には、マルゲリータ王妃がある職人のピザを絶賛したという記事が掲載されてました。なお、エスポジートのピザ屋は、1932年にこの二人が店を引き継ぎ今もあります。Pizzeria Brandiと言えば今は超有名店で筆者も行ったことがあります。Google Mapで店の名前を入力しただけで出てきます。
 
  ナポリのPizzeria Brandi       マルゲリータ王妃
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5/9 ロング コヴィッドとは

 コロナ感染後に物忘れ・倦怠など不調などが残る後遺症をLong COVID(ロング コヴィッド)と言います。オミクロンでの軽症で済んだとしても、こっちはゆっくり体の他の部分にダメージを与え何か月も続くことがあると、ニューヨークタイムズの専門記者は言います。ではワクチンはこれに効果があるのでしょうか?2つの大規模調査の一つは最大1/10の抑える効果があるとしましたが他の調査では何の効果も無かったとか、要は良く分からないのです。長らく一日10万~35万人(日本人口に換算して)の割合で感染を続けていた英国でもロングCOVIDを訴える人は2%程度なのでそう心配するなと彼女は言います。これについて、新しい調査では2つの症状が明らかになりました。一つは無臭症。嗅覚細胞がウィルスに感染した為と思われましたがそうではなく、免疫細胞が嗅覚周辺の細胞でウィルスと大合戦を引き起こしたため、混乱を避けようと神経が保護のため嗅覚を飛び越えるせいだと分かりました。もう一つは男性の問題。米国の研究チームが感染したサルを調べたら前立腺、ペニス、睾丸など生殖系がウィルスに感染しており驚いたとか。コロナ感染男性の1~2割がED症状を訴えるのですが、それは発熱のせいではなくウィルスの直接攻撃によるものと判明しました。コロナ経験のある人は数倍EDになり易く、睾丸痛や精子減少になり易いのだそうです。この研究者はさらに調査しウィルスが睾丸を貯蔵基地にしているか究明すると言っています。(NYTimesより)

治って4ヵ月経ったのに未だ匂いが戻らない
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4/4 抗体は減ってもワクチン効果は持続する

 4回目接種の話があり、今後延々とワクチンを打ち続けることになるのか、と思うのですが、研究では2回3回のワクチンで重症化や死亡を防止する力は何か月も、うまくすれば何年も持続する、追加接種を焦らなくても良さそうだ、とニューヨークタイムズ。抗体は防御の一部に過ぎないからです。「抗体」は分かり易いので重視されますが、それは常に減少して行くもので、その事が重症化への対抗の低下を意味するものではありません。ウィルスを記憶し破壊するT細胞、B細胞などが重要で、これらがワクチンの仕事を記憶し長期に亘り人を守ります。抗体は門番兵みたいなもので敵が次々に来ないと次第に数が減ります。門番である抗体が減った為にウィルスが入り込むと、B細胞がそれ行けと抗体を生産し、T細胞は、感染でウィルス工場にされてしまった人体細胞をウィルスごと皆殺しにすべく出動します。そして最新の研究では3回目の接種がB細胞軍団を大きくし、より多様な抗体を作らせることが分かりました。主流4種のワクチンで作られたT細胞はオミクロンに大変有効で、その変異株が来ても直ぐ活動できると研究者は言っています。これは2003年にアジアで800人を殺害したSARSの時の結果と合致します。SARSに感染した人ではT細胞は17年の長期に亘り記憶を持ち続けたのです。今のワクチンは長期間の記憶をTやBに植え付けます。だから2回3回の接種をした人は感染したとしても重症ベッドを占領する心配は余りない、と書いています。

「コロナ制圧タスクフォース」のサイトより
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3/7 ジェームズ・ウェブ天体望遠鏡

 大気に邪魔されない宇宙望遠鏡。昨年12月にジェームズ・ウェブ反射望遠鏡が打ち上げられました。反射鏡が大きくてロケットに載らないので畳んで載せ宇宙で展開しました。3日かけて日除けを開く準備をします。6日目にはテニスコート2面分くらいのシート状の日除けを展開、9日目に日除けがなんと5層に分離。13日目に折りたたんであった直系6.5mの巨大凹面鏡が成功裏に展開しました。地球から太陽の反対側百数十万km離れた、常に地球の影になる暗闇極寒の特殊点、ラグランジュ点で観測をします。この点は17世紀の数学者が発見、その人の名は日本のロボットアニメにもなっています。


 

 


https://www.bbc.com/news/science-environment-59914936 より

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2/15 寄生虫駆除薬イベルメクチン

 WHOがコロナ変異株を、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタとギリシャ文字順に命名していたのに突如ニュー、グザイの2文字を飛ばしてオミクロンにした事が物議をかもしました。特にグザイは英文ではXiと書きますが、中国国家主席の習近平Xi Ching Ping と同じ名前なので、飛ばしたのは中国寄りなWHOの配慮だ、と米国が非難したからです。さて怪情報が溢れて米国ではワクチン接種もOECD諸国中最低レベルです。反ワクチン派が担ぐのが寄生虫駆除薬イベルメクチン。コロナ大流行期にこれが有効だという論文がいくつも出ているのですが、その後製造元メルク社もWHOも効果は確認できないと公表。EU、英米当局も有効な証拠なしとしました。こうした論文の精査をするグループの学者の一人、K. シェドリック博士は、この薬で死を防げた、とする論文には捏造の疑いや誤りのないものは一つもなかったと述べています(BBC)。それでも推進派のネット情報では反ワクチン派などに強力に拡がり入手法も紹介されているとか。ワクチンを疑う人が多いアメリカでは勝手にこれを服用、ネット上では「同薬のペーストを入手したがどう服用したら良いか」答え「クラッカーにピーナッツバターと一緒に塗って食べる」なんてやり取りもあります。畜産農家にとっては入手難になった上に値段が跳ね上がり、獣医たちはこれで鶏脚疥癬ダニ症の流行になれば打つ手がない、と心配。日本
にもイベルメクチン推奨派もいますが、世界できちんと認められてからにすべきです。

鶏脚疥癬ダニ症になった鶏の足

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1/28 オミクロン株

 西ヨーロッパとアメリカでは昨年末からオミクロンが猛威を振るい1ケ月少々後の1月には急降を始めました。図1は大感染した英国のデータで、上から感染者数、入院数、死亡数です(BBC)。それ以前の感染よりもオミクロンの感染数ははるかに多いのですが、入院、死亡が極めて少ないことが分かります。軽症で済む例が多いのですが、それでもいくらかの死亡は見られます。図2はアメリカで、昨夏と年末のオミクロンの感染数と死亡をワクチン接種の有無で比べています(ニューヨークタイムズ)。ワクチンでは感染を防げないとはいえ、非接種者は接種者の2倍以上の感染です。非接種者の死亡は接種者の20倍。英国の死亡数の盛り上がりもその殆どは非接種者と思われます。1月下旬辺りのフランスの新規感染は人口百万人当り一日5千人越えで、日本の人口に換算すると一日65万人づつですが、ワクチンパスポートがあればレストランも交通機関もOK。逆に陰性証明は無効。米国ではこれがインフルエンザ的な病気に変わっていく入り口ではないかと期待する専門家たちも出ています。マクロン大統領は「非接種者くそくらえ!」と言ってひんしゅくを買いましたが、正解かも。ところで、オミクロンが南アで見つかったとき、アフリカは不潔だから変異種もできるなと思ったのですが、実は英国と南アは優秀な遺伝子試験装置を持っているために南アで見つかったとの事で、南アで変異種が出来たわけではないそうです。差別意識を反省します。

 図1                    図2
  
 各図はクリックすると大きく見られます

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1/5 ハイエナを操る寄生虫 

 猫と妊婦との同居は好くないと言われますが、猫の糞便に含まれる卵状のトキソプラズマに感染する危険性があるからです。フランスでは加熱の弱い肉を食べるせいか感染率が85%もありますが、普通の人は免疫に異常がなければ感染しても症状はありません。ただ妊娠数か月前から妊娠中に初感染すると胎児に障害を起こす恐れがあります。トキソプラズマは単細胞原虫で人など哺乳類や鳥類を中間宿主とし世界人口の1/3が感染していますが、ネコ科動物の体内でのみ有性繁殖が可能です。その為猫やライオンの体に入ることが必要です。さて、アフリカの野生動物保護区での長期の調査によると、これに感染したハイエナはそうでない場合に比べ4倍もライオンに喰われることが分かりました。特に感染した1歳未満のハイエナで死因が分かったものはすべてライオンに喰われていました。感染していない子ハイエナはライオンと平均91m距離を取っていたのに、感染した子は平均44mだった。実はネズミも感染すると、猫の尿の匂いに引き付けられ、近づきすぎて猫に喰われることが分かっています。感染した動物が猫やライオンに喰われるように、操って大胆な行動をとらせるのです。では、人間は影響を受けないのでしょうか? トキソプラズマに感染した人は、危険な運転をしたり、危ない賭けにでるなどリスクの高い行動をするらしいと言われます。あなたは大丈夫ですか? (ナショナルジオグラフィック誌)


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